家づくりは、まず資金計画から始め、
ご自身の予算という現実面をしっかり把握することが大切です。
ただ、資金計画をした結果、家に充分な資金を投入することが出来なくなることが
あります。
そして、家に充分な資金が投入出来ない場合、
多くの方が陥りやすい失敗がいくつか存在します。
家づくりをされる全ての方が
いくつもの要望をお持ちだと思います。
「子ども部屋は6帖で、できれば人数分欲しい。」
「リビングは20帖、寝室は8帖欲しい。」
「そうは言っても、予算は増やしたくない・・・。」等々。
そしてそれらの要望を出来るだけ叶えようとすると、
自ずとコストパフォーマンスに優れた家を設計することになります。
いわゆる、坪単価が安い家です。
その結果、使いにくく無駄が多い、不便な家が出来上がりやすくなってしまうわけですが、
その最大の原因となるのは、やはり『収納不足』ではないでしょうか?
1階はスペースが余りにくいのに対し、2階はスペースが余りやすいため
つい2階に収納が多くなりがちです。そうなると、間違いなく不足してしまうのが
『1階の収納』です。
1日の大半を過ごすのはリビングダイニングキッチンなので、
本当は、その周辺にたくさんの収納が欲しいところですよね?
とりわけ子どもが小さいうちは、リビングに子どもの荷物が増え、
片付ける場所がなければ収納家具を買わざるを得なくなり、
無駄な出費をしながら部屋を狭くすることになってしまいます。
仕事着や制服もリビング付近に片付けるところがなければ、
ダイニングチェアーがハンガー代わりになってしまいがちです。
手紙や書類置き場がなければ、
キッチン前のカウンターが書類で溢れ返ることになります。
そしてこんな状態だと、突然の来客があれば、あたふたすることになり、
なにより、いつも散らかっていて、
片付けても片付けてもキリがない状態にイライラすることになってしまいます。
ですから、たとえ資金計画の結果、充分な資金が家に掛けられなくなったとしても、
1階の収納だけは充分に確保することをオススメします。
ただし、1階に収納が増えれば、その分1階の面積が大きくなります。
そして、それは単純にコストアップにつながります。
ですから、コストをアップさせずに1階に収納を増やすためには
逆に何かを削る必要があります。
●秘訣その1:廊下をなくす
廊下が欲しいという方も中にはいるかもしれませんが、
基本的にあなたがお持ちになる要望の中に、
「廊下が絶対に欲しい」がありますか?
もしないのであれば、廊下にも部屋や収納と同じようにコストがかかっているので、
可能な限り廊下はカットすることをオススメします。
そうすれば、この廊下をなくすことが出来た分、その面積を収納に回すことが出来るようになります。
●秘訣その2:必要最小限の部屋の広さにする
一日の大半をリビングダイニングキッチンで過ごし、
それぞれの部屋はただ寝るだけの部屋になっていたり、
子ども部屋に至っては、使う期間も思っている以上に短いです。
実を言うと、ダブルベッドは6帖の部屋に2つ並べることが出来ます。
ただ寝るだけの部屋に8帖も10帖もの広さが、果たして必要でしょうか?
4帖と聞くと狭く感じるかもしれませんが、
4帖あればシングルベッドと学習机を置いて、ちょうどいい広さになります。
子ども部屋も予算があれば6帖を人数分与えてあげてもいいと思います。
様々な考え方があり一概には言えませんが、将来いらなくなる部屋を
無駄に多くつくる必要があるのかどうか・・・。
本当は、4帖〜4.5帖もあれば充分なのかもしれません。
廊下同様に、それらにもコストがかかっています。
【まとめ】
全体予算をしっかり把握しながら
予算を掛けるべき所と掛けるべきではない所の見極めをしっかりと行い、
たとえ予算が少なくなってしまったとしても、1階の収納は確保しつつ、
使い勝手のいい便利で住みやすい住まいづくりをしていただければと思います。